『芥川賞』『直木賞』は生成AIの使用で候補作を判断していない

生成AIへの対応が気になる賞は、もちろん公募賞だけではない。雑誌に発表された新進作家による純文学の中・短編の中から選考する『芥川龍之介賞(芥川賞)』では、2023年下半期に選考した第170回の受賞作について、「全体の5%くらいかな、生成AIの文章をそのまま使っているところがあるので」と著者が発言をしたことが話題になった。

『芥川賞』を主催している日本文学振興会では、新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本から選考する『直木三十五賞(直木賞)』も主催している。これらの賞の候補作品や受賞作品の生成AIへの対応についての考えを聞くと、事務局は生成AIの使用を元に候補作を判断はしていないと答えた。

「芥川賞と直木賞は、版元が判断して出版している作品について、予備選考を経て候補作を決める形を取っています。この作品はAIを使っているとか、使っていないといった話が必ずしも出ないとは限りませんけれども、少なくとも今のところは、それをもとに候補作にするしないとかを判断している状態ではありません」

また、創作に生成AIを取り入れることについて、現状での考え方を率直に語った。

「今は生成AIの使用を駄目だとすること自体が難しいと思います。第三者を侵害したり、傷つけたりするものでない補助的な利用であれば、許容範囲なのかなと思っています。それに、AIを取り巻く状況もどんどん変わってきています。様子を見ながらというのが現状では正直なところです」