女王バチが放棄した巣?

──この巣はどういう状況?

(東洋産業 大野竜徳さん)
「この時期は働きバチが出ていないともう遅いです。つまり、巣をよく見れば、女王バチや巣を守る働きバチが巣の周りにいて、巣の中には幼虫が見えている時期ですね。

そう考えると、これらの巣は住民が見えませんので空の巣なのだろう、と考えます。

器つきのほうは、もっと早く、おそらく4~5月には空の巣だったのではないでしょうか。明らかにこれは初期段階の巣ですから。

コガタスズメバチの巣は順調に育っていれば、まだ下側に細く伸びたトンネルのような出入り口もあるはずです。

おそらく、両方の巣とも女王様がワンオペ育児中に何らかの事故にあって命を落とし、帰れなくなったことで、巣は廃墟になってしまったのでしょう。

いくら強いハチとはいえ、巣作りは命がけで、巣づくりの初期は女王バチがたった一匹で餌集めも巣づくりも子育てもこなします。鳥やクモなどの天敵に襲われたり事故に遭ったりして、巣づくりが途中で終わってしまうことも珍しくないのです」