「御真影がどうなったか」心配する校長

その後、友人と2人で代わる代わる御真影を持って道路や水田の中を夜明けまで西へ向かった笠井さん。今村地区で民家に預け、学校の焼け跡に戻ると待っていたのは校長でした。

(笠井博さん(97))
「『御真影はどうしたんなら』と手ぶらだったですからね。校長先生にしたら、私たちが無事なことよりも御真影がどうなったかそれをものすごく心配しておられたと思います」

「『お預けして帰ってきました』と言ったら、『良かった良かったありがとう』と言われました。命より大事なものです」

多くの建物が焼けた後の熱波の中、家族と会うため手拭いで口を覆い、市街地を内山下方面へと向かった笠井さん。

(笠井博さん(97))
「歩いていたら道のど真ん中に柱の焼け残りみたいなのが1本だけポーンと転がっていた。あら、なんで道の真ん中に。近づいてみたら、人の体でした。人間でした。焼け焦げて生焼けになったような姿で倒れとられるのを見たときは本当にあー無残じゃなという気持ちでいっぱいでしたね」