「御真影を仮置きする」思いもつかなかった
焼夷弾が降り注ぐ中、逃げ惑う人の波。しかし…
(笠井博さん(97))
「校門を出た瞬間に『御真影じゃ』と誰かが叫んだとたんに一つの流れになっていた動きがピタっと止まってみなさん最敬礼です」
振り返れば渡り廊下は火の海に。必死で御真影を運ぶ笠井さんの目に自転車にまたがった30代後半くらいの男性がとまりました。

(笠井博さん(97))
「またがっていたのを降りられたのは見ました。自転車を持ったまま最敬礼されていました。とにかく一瞬の出来事です。爆弾が直撃した。その方の後ろ頭にポンと当たったんです。落ちてきたのがドーンと。目の前で焼夷弾が男性に直撃したのです」
(笠井博さん(97))
「ペタッと、自転車も倒れました。その方も自転車の下敷きみたいになって倒れられましたよね、たまらない思いですね。気の毒だったなあ、助けることもできなくてという気持ちは今もしますけどね、あの瞬間には御真影を地べたへ仮置きするなんてそんなことはとてもじゃない思いもつかなかったことです。持ったままですから」















