ロシアが支援しているアサド政権のシリアの内戦では、反体制派を抑え込む役割で暗躍。

その後、アフリカの紛争国などにも顧客を広げていったとみられています。

■世界の中でも特殊な民間軍事会社「ワグネル」

実は、この民間軍事会社、ワグネルだけではなく、アメリカやイギリスなどに、数多く存在します。イラクでは2007年、アメリカの軍事会社「ブラックウォーター」が要人の警護中に銃を乱射。民間人17人を殺害、大きな問題となりました。

軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は、そもそも、民間軍事会社の主な業務は、警備や物資の補給など、後方支援でワグネルのように、最前線で戦闘に参加するなど、戦争そのものに大きな役割を果たすのは、極めてまれだといいます。

ワグネルの問題点として、正規軍ではないため、例えば多数の死者を出しても『戦死者にはカウントされない』ことなどをあげます。プーチン政権は、戦場で大きな犠牲を出したとしても、隠ぺいが可能となります。

事実上、ロシアの“影の軍隊”として暗躍する、民間軍事会社。国際社会は、どう対処して行けばいいのでしょうか。

(「サンデーモーニング」2023年1月15日放送より)