検察側の論告 犯行の残虐性と主犯格としての責任

検察側の席(旭川地裁・8日)【この記事を画像で詳しく見る】

検察側は論告で、事件の経緯と内田被告の主犯格としての役割、そして犯行の凄惨さを厳しく指摘しました。

(論告の要旨)
事件の発端は2024年4月18日、女子高校生が内田被告の写った画像を無断でSNS上に投稿したこと。これに因縁をつけた内田被告は、示談金名目で50万円もの法外な金銭を要求。さらに同乗していた少年(当時16)に暴力団構成員の振りをさせて「どう落とし前つけんの」などと電話で脅迫し、内田被告自身も「じゃあ家族ごと潰していいんだね」と女子高校生を追い詰めた。

その後、深夜に女子高校生を「道の駅るもい」に呼び出した内田被告は、「お前黙って乗ってろよ。バッタバタにしてやるから」と脅して自身の車に乗せ、旭川方面へ連行して監禁を開始した。女子高校生が車内から逃げようとするたびに暴行を加えて阻止し、小学校の駐車場では土下座を強要してその様子を動画撮影した。

さらに、移動中に立ち寄った神居のコンビニにおいて、女子高校生がトイレから出た後に従業員へ「助けてください、通報してください」と必死に助けを求めた際、内田被告と受刑者の女は女子高校生を店外に無理やり引きずり出し、殴る蹴るの激しい暴行を加えた。コンビニの近くに交番があり、通報による逮捕を恐れた内田被告らは、人目のない場所でさらに制裁を加えるため、女子高校生を神居古潭へ連行することを決定した。

事件当時の神居古潭は深夜で人目がなく小雨が降り、気温は5度前後という厳しい気象条件だった。内田被告らは女子高校生を全裸にさせ、衣服や靴をすべて草むらに投棄して逃走や生存の手段を奪った。さらに、全裸姿での土下座を動画撮影したほか、少年とのビデオ通話でその様子を映し出し、多大な性的な辱めを与えた。

最終的に、水面から約13メートルもの高さがある神居大橋の欄干の上に女子高校生を座らせ、受刑者の女とともに「落ちろ」「死ねや」と何度も怒鳴り、極限まで精神的に追い詰め、石狩川に落下させて殺害した。女子高校生の死因は溺水による窒息だった。犯行後、内田被告らは女子高校生の携帯電話からデータを削除した上で車でひいて損壊し、川に投棄するなどの念入りな証拠隠滅を行った。

検察側は、「心身共に極限まで追い詰めた上で確実に死に至らしめ、その痕跡すら残らない方法で殺害しており、極めて残虐・悪質である」と強調。無期懲役の選択も十分に考えられるとした上で、過去の不同意わいせつ致死罪で無期懲役となった事例が「性のはけ口」とした事案であるのに対し、本件は「制裁」目的であるという違いや、すでに懲役23年の刑が確定している共犯者の受刑者の女との量刑バランス、監禁罪等との併合罪の規定などを考慮し、有期刑の最高刑である「懲役27年」を求刑しました。