皮膚のセンサーが反応するのは「温度そのもの」より「温度の変化」

熱の伝わるスピードが違うのはわかりましたが、それでは「なんで気温40度のほうがツラいの?」という疑問は解決しません。ここでカギを握るのが、私たちの「神経」の働きだといいます。

中村教授
「私たちの皮膚の感覚というのは、冷たさと温かさという温度を測っていますが、特に温度の変化に敏感です。皮膚には『温度受容器』という冷たさと温かさを感じる温度センサーがあります。これらは温度が変わるたびに、脳に電気信号を送るのですが、この信号が多ければ多いほど暑い!と強く感じます。

気温40度の屋外にいると、肌の温度は32~34度くらいからじわじわ上がり続け、温度が上がるたびにセンサーが反応して、『温度が上がっている!』という信号を脳に送り続ける。だから、ずっと暑く感じるわけです」

お風呂の熱さに「慣れる」理由は“情報の継続性”?

では、お風呂はどうでしょうか?入った瞬間は「熱っ!」となりますが、すぐ慣れます。

中村教授
「最初は大きく変化するので『熱い』という情報が脳に伝わりますが、それ以降は、ほぼ変化しないので、脳に継続的に情報が流れません。ですので、熱いということは感じにくくなっていきます」

つまり、お湯に入った直後は肌の温度が急上昇するからセンサーが活発に働き電気信号を送り続けるけれど、いったん40度で安定すると、温度の変化がほぼなくなり、脳への信号が減少する。これが、お風呂の熱さに「慣れる」正体だというわけです。