RKKには、動画だけでなく放送に使用した写真や資料写真も多数保存されています。半世紀以上前の熊本を写した懐かしいカラー写真の中から、今回は「熊本市勧業館」が写された写真を紹介します。古い写真なので変色・退色が進んでいますが、AIを使った退色補正と人力での調整で、当時の風景がよみがえりました(AIによる補正は必ずしも正しい色合いを再現していない場合があります。ご了承ください)。

現在の花畑広場(中央区花畑町7 2026年6月撮影)

【熊本市勧業館】
花畑広場(はなばたひろば)は、熊本の交通の中心「桜町バスターミナル」に隣接する、広さ14,700㎡を誇るイベントスペースです。「RKKまつり」をはじめ年間を通して多数のイベントが開催されています。
この場所には2014年(平成26年)まで、「熊本市産業文化会館」がありました。そして更にその前、1979年(昭和54年)までここに建っていたのが「熊本市勧業館」です。

写真を拡大 写真①

写真①は1971年の撮影です。中央の茶色の建物が「熊本市勧業館」。勧業館は、県産品や郷土の芸術品の販売を行う施設として1930年(昭和5年)に建てられました。昭和30年代には、地階と1階は商業テナントの「専門大店」が、また2、3階には熊本博物館が入居していて、多くの人で賑わっていました。
まだ熊本市街には高層の建物は少なく、写真左奥には手取本町にある長崎屋が見えています。画面右奥はまだオーニング化されていない新市街商店街で、電車通りに面した入口には「銀丁デパート」の看板が見えます。
撮影から50年以上、勧業館を含めほとんどの建物は建て替わってしまいましたが、「東芝カラーテレビ」の看板がある白い建物は、テナントは入れ替わりながらも現在も営業しています。

写真を拡大 写真②

写真②は1974年の撮影です。写真①で左端に少しだけ写っていた「専売公社」が、「岩田屋伊勢丹」に建て替わりました。勧業館の奥の黒い建物は電電公社(現NTT)桜町ビル。現在この場所に新市庁舎の建設が計画されています。
勧業館には名物の食堂があり、カレーやハヤシライスが人気メニューでした。1979年に勧業館が閉館したあとは熊本市民会館に移転し、現在も「勧業館食堂」として営業を続けています。

写真を拡大 写真③

こちらは1971年、少し南の肥後銀行本店前付近から北方向を撮影した写真です。左手に勧業館、その奥には花畑公園の大楠が写っています。ここに「福岡 126km」の道路表示があるのは、1970年頃まではこの道が九州を貫く幹線道路「国道3号」だったため、その名残だと思われます。

緑色で示した道が1960年代まで「国道3号」だった。矢印は写真③の撮影方向を示す

勧業館は、老朽化のため1979年(昭和54年)に取り壊され、跡地には「熊本市産業文化会館」が建てられました。

熊本市勧業館 建て替えへ【昭和54年・1979】~RKKニュースミュージアム~