アメリカとイランの戦闘終結に向けた交渉をめぐり、トランプ大統領は「イランとの合意が成立した」と発表しました。ここからは中東支局長の増尾さんに聞きます。今回の覚書の合意について、イラン側はどのような反応なのでしょうか?

イランとしては、今回の合意は軍事的な成果によって実現したものだと強調しています。

覚書の全容はまだ明らかになっていませんが、イラン側としては限定的な妥協で合意に持ち込むことができたと受け止めているとみられます。

アメリカは当初、軍事的圧力によってイランに核問題での譲歩を迫っていましたが、結果的には、それを実現するには至りませんでした。

反対にイランは、まず戦闘を停止して、核問題の決着は先送りすることに成功しました。

さらに今後は、長年続く経済制裁の解除につながる可能性もあり、イランとしては軍事力で劣る中でも、戦略的な戦いによって自らが求めていたかたちで戦闘停止に持ち込んだことになります。

【Q.今後も難航が予想されますが?】

今後は大きく2つの困難が待ち受けています。

まず1つ目は、60日間という制限付きのなか、イランの核問題で本当に最終合意までたどり着けるのかという点です。

そもそもこれまでの核協議では、双方の隔たりが大きく、合意に至ることができなかった難しい問題です。

トランプ大統領は「合意できなければ攻撃を再開する」と脅しをかけていますが、イラン側も、簡単には譲歩しないはずで、不安定な状況は続きます。

そして2つ目がイスラエルの出方です。

今回の覚書には、イスラエルが攻撃を続けるレバノンでの戦闘停止も含まれています。

しかし、イスラエル側は現時点で、この枠組みに応じるのかどうかを含め、公式な反応を示していません。

仮にイスラエルがレバノンへの攻撃を継続すれば、イラン側は合意違反だとして反発せざるを得なくなります。

その意味では、トランプ大統領がイスラエルをどこまでコントロールできるのかも、今後の行方を大きく左右します。