命が消えゆく中の「自己保身」

事件当日、引き金となったのは息子の「粗相」だった。

冒頭陳述で、検察官は、男の子が死亡するまでの時系列を明らかにした。

▽午前7時55分頃
妻が出勤

▽午前8時半頃
男が子どもたちの面倒を見始め、朝ごはんを食べる。朝食後、1階リビングでおむつ替えを始める。男が「うんちある?」と聞くと、男の子は「ない」と答えた。

▽午前9時~9時30分頃
しかし、実際には、男の子はおむつの中に排便していて、床が汚れた。

「うそをつかれた」

激高した男は、男の子の右腕を掴むと腹部を拳で2回、加減せずに殴打。
その後、男の子の体調変化に気づいた男は、妻に電話をするが、つながらず。

▽午前10時46分頃
このころには、男の子の顔は青白く、唇は紫色に変色し始める。麦茶を与えても嘔吐。
ここで男がスマートフォンで検索したワードは「子供 お腹ぶつけて 体温下がる」だった。我が子の体に致命的な異常が起きていることを察知しながらも、すぐに救急車を呼ぶことはなかった。

▽午前11時50分すぎ
妻と連絡がつながる。
「1階で掃除機をかける間、2階で遊ばせていたら階段から落ちた」と虚偽説明。
男はその後も、消防に、医師に、「うそ」をつき通すことになる。

▽午後5時46分
男の子の死亡確認