政治的中立性、職業選択の自由、生活費…曖昧さがはらむ矛盾

だが、この曖昧さが新たな課題を生む。仮に、政府の有識者会議の報告書が示唆するように夫と子が一般国民のままとした場合、様々な矛盾が生じる可能性がある。
皇族にはない選挙権を家族が持つことになり、皇室の「政治的中立性」に影響が及ぶ懸念。また、家族は職業選択の自由を持つが、特定の職業に就くことで皇族の品位が損なわれる事態はないのか。生活の拠点となる住まいや、生活費の問題も避けては通れない。

特に深刻なのが「お金」の問題だ。宮家の皇族には、品位保持のための生活費として「皇族費」が国から支出される。しかし、この金額には明確な男女差が存在する。
仮に女性皇族が結婚後に新たな宮家の当主となった場合、2026年度の計算では、内親王(女性)に支給される皇族費は1525万円。これに対し、親王(男性)は3050万円と、実に倍額だ。
岩永記者はこの差の背景について、ルールが作られた当時の「男性の方が活動量が多い」「女性はいずれ結婚して皇室を離れる」といった前提の影響が考えられると指摘する。しかし、愛子さまや佳子さまが多くの公務を担う現代において、この前提はもはや合理的とは言えない。
さらに、夫と子が一般国民のままであれば、皇族費を家族の生活費に充ててよいのかという法的な問題も浮上する。川瀬記者によると、全体会議の議論に関わった関係者は「一般国民のままだと皇室経済法も改正しないといけない」と指摘しているということで、さらに検討課題が増える可能性を示唆している。














