■「岸田総理の人事は本当に側近だけで決めているから情報が漏れない」
安倍カラーから少しずつ脱しつつある岸田総理。安倍政治の代名詞アベノミクスについて岸田総理は“トリクルダウンは起こらなかった”と期待した成果がなかったとも取れる発言をした。このアベノミクスの象徴ともいうべき人事、黒田東彦日銀総裁の任期が4月8日満了する。後任は、前副総裁の中曽宏氏と現副総裁の雨宮正佳氏のどちらかとされる。

経済評論家 加谷珪一氏
「慣例なんですが、総裁人事は財務省出身者と日銀出身者が交互交互で決めてきましたから、その二人の名前は順当です。どちらがなっての日銀プロパーで副総裁経験者なので、おそらく今回0.25から0.5に上げた長期金利をもう一段微修正してくると思います。(中略)これ以上0金利の継続は弊害の方が大きいですから。ゆっくりですが量的緩和策から脱却して、金利を徐々に上げていく、そういうフェーズに入ったと…」
人事も方向性もサプライズはなさそうだが、人事の決め方に岸田総理のやり方があると田崎氏は言う。
政治ジャーナリスト 田崎史郎氏
「人事の決め方の参考になるのは、1か月ほど前にNHK会長人事なんですよ。稲葉さんという方に決まったんですが、総理が相談したのは周りにいる1人か2人です。総務省に強い影響力を持っている菅義偉前総理にさえ知らせたのは決めた後だった。本当に側近だけで決めているから情報が漏れない。これが日銀総裁人事でも踏襲されると・・・」
つまり、決定するまでわからないということだが、方向性としては、現状の継続をベースに徐々に改善していくということだ。アベノミクスの方向性を一気に転換すると混乱が大きいので、少しずつ修正してソフトランディングを目指すという。
脱安倍政治、脱アベノミクスの道を歩き始めた岸田政権だが、長期政権が生んだ様々な“習わし”から抜け出すのは、やはり相当時間がかかりそうだ。
(BS-TBS 『報道1930』 1月9日放送より)














