富山県が1月6日に発表した新田知事肝いりのウェルビーイング指標について県議会の各会派で賛否が分かれています。経済発展の土台となる意見がある一方、内容が抽象的である、明確な目標を決めるべきといった声が挙がっています。

富山県が1月6日に発表したウェルビーイングの指標。
肉体的、精神的、社会的に満たされた状態である「真の幸せ」、ウェルビーイングを七色の花に見立てて視覚化するもので、県が成長戦略の中心に位置づける新田知事肝いりの政策です。
富山県 新田知事:
「幸せ人口1000万人、ウェルビーイング先進地域富山、そのような幸せ人口を増やしていく、そして富山県の皆さんのウェルビーイングを高めていく」

指標は、理想的な状態をイメージし、どの程度充実しているかを見る「総合指標」、健康や経済的ゆとりなど7つの分野に分かれた「分野別指標」、人間関係のつながりを重視した「つながり指標」の3つに分類され、47の設問に4段階評価などをつけることで幸福度を数値化します。

このウェルビーイング指標を巡り、県議会の各会派で賛否の声が挙がっています。
最大会派・自民党は…。
自民党 宮本光明 幹事長:
「大きい目標の中のウェルビーイングというものが最終目的だと。それに向かって何を具体的にやっていくのかが政治だ。知事が肝いりとしてこれを実現しようとするときはやっぱり明確な政策な具体化に示して目標を決めて進めていくことが行政のあるべき姿でないかなと思っています」

新田知事を支持している自民党新令和会の中川県議は、「数値で推し量ることができないウェルビーイングの指標が色んな角度から作り込まれている。知事の政策の一丁目一番地でもある経済発展につながる」とコメントしています。
立憲民主党県民の会 菅沢裕明 会長:
「ウェルビーングを考える際にも当面大事なことはなんと言っても県民の皆さんを支え守っていくというこのことに尽きる。従って、今回の指標ですが、私はそういった観点から考えると非常に抽象的で具体性に欠けて、皆さんはこれをどういうふうに受け止めているだろうかなと」

こうした議会の声に、きょうの定例会見で新田知事は。
富山県 新田知事:
「そもそも大前提でウェルビーイングに対してもまだ、多分議員の皆さまも十分に納得はいただいていなかったのかということも反省であります。やっぱりご理解いただけるように繰り返し説明を積み重ねていくことが大切だと思っています」
まだ認知度が十分とは言えない「ウェルビーイング」。具現化していくため新田知事は新年度の予算編成で特に重要な事業にはウェルビーイング指標を反映させて政策形成していきたいとしています。