生産・販売ともに減 最新統計から見えるトルエン不足の実態
トルエンは粘着テープだけではなく、塗料やシンナーにも使われている。建設現場では4月からシンナー不足の声が上がっていた。

塗装職人 横山直樹さん(報道特集 4月11日放送)
「(シンナーは)問屋でない、建材屋行ってもないと言って、一日一日がゆとりがないんですよね。受けられないですよね仕事、その物がないと」
防水工事“一人親方” 工藤修司さん(報道特集 5月23日放送)
「最初に足りなくなり始めた代表格がシンナー。このシンナーがないと仕事にならない」
政府は、ナフサ由来の石油製品について、「日本全体として必要な量は確保できている」として、現場で製品が不足しているのは、「流通の過程で目詰まりが起きているため」などの説明を繰り返している。

高市総理(5月25日)
「年を越えて供給継続は可能であり、足りています。一方で、供給見通しの共有不足や実績以上の発注などで、現場では物資不足が発生しています」
さらに、トルエンの状況について。

高市総理
「ナフサを精製する一部の分解炉の定期修理が終わったということから、ナフサ輸入が増加したということから、トルエン、エチレンなど、川上製品の生産も4月半ば以降から再び増加しております」
こうした中、経済産業省が29日に公表した4月の統計をみると、トルエンは2025年に比べて生産量も販売量も減少していることがわかった。

トルエンの国内生産量は、▼2025年4月は約10万2800トンだったが、▼2026年4月は約5万9100トンと43%減少。さらに、2026年4月のトルエンの販売量は2万3200トンと、前の年の同じ月と比べると67%減少した。
輸入の増加と輸出の減少を加味して、番組で試算すると国内向けの販売量は前の年の同じ月に比べて約22%減少したことになる。
塗料やシンナー、粘着テープなどが現場で不足していた原因を考える上で重要な数字だと、物流専門誌「LOGISTICS TODAY」の赤澤裕介編集長は指摘する。

LOGISTICS TODAY 赤澤裕介編集長
「非常に重要な変化・動きだと思う。政府は『全体が足りてる』と言っているのに、『俺たちの手元にはないんだ』という状況が、サプライチェーンを見ていたら、はっきり見える。はっきり見えるけど、政府は言わない。頑なに言わない。供給量(販売量)が細らざるを得なくなっているとちゃんと言わなきゃだめ」
4月の統計で、トルエンは生産量・販売量とも減っていたことについて経産省に聞いたが…
経済産業省
「企業へのヒアリングでは、シンナーや塗料に使われるトルエンはきちんと出ているということが確認されています。個社のデータは出せないのですが、前年以上の量を出していると」
広がるナフサ製品の不足と価格高騰で、企業は対策に乗り出している。

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