気象庁から発表される警報や注意報といった防災気象情報が5月28日に大きく変わります。変更のポイントについて解説するシリーズの第2弾では、川の氾濫について注目します。
70年以上続いた「洪水警報」が廃止
今回の変更で、70年以上続いた「洪水警報」が廃止されます。今後、川の氾濫を伝える情報は、川の大きさによって分かれるようになります。ポイントは「指定河川」か「それ以外の中小河川」かです。
石川県内には「手取川」と、小松市を流れる「梯川」の2つの指定河川があります。これらの指定河川は「氾濫警報」という枠組みで、今後は川ごとに情報が発表されます。
一方、指定されていない中小河川は、低い土地の浸水のリスクとまとめて、今後は「大雨警報」の中で市町村ごとに伝えられます。
警報2種類 なぜ分ける必要?
手取川や梯川といった大きな川は、上流で雨が降ってから水位が上がるまで時間差があるため、予測を立てやすい性質があります。
2022年8月4日に石川県小松市などを襲った豪雨では、午前中に梯川の支流の滓上川や鍋谷川が先に氾濫しました。その後、数時間たってから支流の水が集まる梯川でも氾濫が発生しました。
このように、水位計や河川カメラを使って氾濫のリスクを予測できる手取川と梯川では、川が氾濫する前から「レベル3氾濫警報」「レベル4氾濫危険警報」「レベル5氾濫特別警報」と段階的に情報が発表されます。
氾濫警報は「川ごとに発表」 自治体は名指しされない
今後、氾濫警報は川ごとに発表されるため、自分の住んでいる場所が影響を受けるかはすぐに分からないという課題があります。

たとえば「手取川にレベル4氾濫危険警報」といった形で発表されたとき、この情報だけでは自分が住んでいる市町の名前が出てきません。しかし手取川が氾濫すると、最悪のケースでは、川に近い白山市や川北町、能美市のほかにも、南は小松市、北は野々市市や金沢市の一部まで、広範囲が浸水するおそれがあります。私たちも放送で、なるべく浸水が想定される自治体の名前もセットでお伝えするようにします。
中小河川は「大雨警報」をチェック
一方、指定されていない中小河川は、氾濫警報ではなく、大雨警報を見る必要があります。石川県内では、金沢市を流れる比較的大きい「犀川」や「浅野川」などを含めてほとんどの川が該当します。
中小河川は、大きな川よりも水位が急激に上昇するリスクがあります。2023年7月12日に石川県加賀地方を襲った線状降水帯では、気象庁から線状降水帯の発生を知らせる「顕著な大雨に関する気象情報」が発表されたのとほぼ同時に、多くの中小河川が氾濫しました。また2024年9月の奥能登豪雨でも、短時間で水位が急激に上昇し、避難できずに多くの人が命を落としました。
このように刻々と状況が変化するため、中小河川は手取川や梯川のような予測に基づいた氾濫警報を出すことができません。今後は、低い土地の浸水と合わせて「レベル3大雨警報」「レベル4大雨危険警報」などと、市町ごとに発表されます。
指定河川の周辺は「2種類の警報」を確認
注意が必要なのは、指定河川の周辺の地域です。たとえば2022年8月の小松市の水害でみると、指定河川である「梯川」の氾濫は「梯川にレベル5氾濫特別警報」などと発表されます。一方、指定河川ではない支流の「滓上川」の氾濫は「小松市にレベル5大雨特別警報」などと伝えられます。

他にも、周囲にある低い土地の浸水や、同じ梯川であっても上流の指定されていない区間は、大雨警報の区分を見る必要があります。実際にどこが危険なのかは、キキクルで確認することも大切です。














