鎌倉時代にモンゴル軍が攻めてきた「元寇」の船の碇(いかり)が去年引き揚げられ、10日から保存に向けた作業が始まりました。将来的に船を引き揚げる際の指針にもなる重要な作業です。
◆元寇船の「碇」重さ約160キロ

RKB今林隆史「海から引き揚げられた後も海水に浸けられていた元寇の碇。これから真水に入れ替えて保存に向けた作業が始まります」

長崎県松浦市の鷹島では10日午後、長さ1.7メートル、重さ約160キロの木製の碇を海水から出し、真水に浸けて塩分を取り除く脱塩処理が始まりました。この碇は、鎌倉時代の1281年、モンゴル軍が攻めてきた「元寇」の際にいわゆる「神風」で沈んだ船のものです。
◆船の引き揚げ・保存に向けた試金石

JNNが取材していた2013年、鷹島沖の水深約20メートルの海底で発見され、去年引き揚げられました。
松浦市文化財課 内野義課長「今回、碇の保存作業によって得られたデータというのが、将来的な元寇船の引き揚げにとって非常に重要なデータになるという風に予測しています」

松浦市は、碇から塩分を取り除いた後、4月からは糖類の一種・トレハロースで木材を補強する作業を行い、2年後の処理完了を目指します。
鷹島沖の海底では、複数の元寇の船が発見されていて、この碇の保存処理作業で得られたデータと経験が、将来の大きな船の引き揚げ・保存に向けた試金石となりそうです。














