補助金支援“出口戦略”は?

小川彩佳キャスター:
電気・ガス料金の支援は2025年の7月~9月にも実施しています。この時は本予算の予備費から2881億円を支出しており、国のモデルケースによりますと、標準的な家庭で3か月で3000円程度を補助したということになります。

2026年は2025年よりも増額し、5000億円程度を支出する方向で調整しているということです。補助金で対策する物価高対策をどのようにご覧になりますか。

教育経済学者 中室牧子さん:
短期的には、家計の負担を和らげる効果があると期待されますが、中東情勢はこの後長期化する可能性もあり、こうした補助金を仮に7~9月を超えて長く続けていくということになると、やはり、非常に財政負担が大きくなるのではないかということが懸念されます。

もう一つ気になるのは、この補助金は1kWh当たり2円、3円値引きする、という仕組みなので、使用量が大きい世帯ほど補助額が大きくなるという仕組みになっているわけです。

そうすると、所得が高い層ほど恩恵が大きい傾向があるので、本当に電気・ガス料金の値上がりによって苦しんでいる家計を救済することになるのかという問題もあります。やはり、今後は本当に支援が必要な世帯に絞った支援が何なのか、ということを考えていく必要もあると思います。

小川キャスター:
行き詰まることのない支援の形というのを見つけていかなければならない一方で、政府は20日、この夏の節電要請を行わないことを決定しました。日本全体では電力の安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できる見通しだということですが、節電要請をなぜしないのか、どう読み解きますか。

中室牧子さん:
これは実は日本に限ったことではありませんが、原油の価格の上昇やエネルギー価格の上昇というのは、家計を直撃します。そのことが実は与党や、その政権の支持率と非常に強い相関があるということを示した研究は少なくありません。

そうすると政権としては、価格を下げる政策というのをなるべく長く続けたいというインセンティブがあるのではないかと思います。

========
<プロフィール>
中室牧子さん
教育経済学者 教育をデータで分析
日本成長戦略会議WGの委員