
「手術をすれば、寝たきりになるリスクがある」しかし、「手術をしなければ、ALSの治験や、治療すら受けられない」。
声優として、命ともいえる「声」を失う恐怖と闘いながら、彼は「腫瘍摘出手術」を決断しました。
2019年12月12日のことです。


◆津久井教生さん◆
「腫瘍の摘出手術のあとに真っ先に確かめたのは『はたして声は出るのか』でした。麻酔の残る中、『声』を出しました。」
「すると、しっかり『声』が出ました。
そしてニャンちゅうの声も続けて試しました。
すると、出たのです。よかった。無事に出ました。
よし。これでできることが残りました。前に進めると思いました。」

津久井さんは、自身のSNSでALSを公表しました。
病気を隠すのではなく、伝えることを選びました。
それは、同じ病を抱える人たちへの「エール」でもありました。
◆津久井教生さん◆
「ALS(筋萎縮性側索硬化症)と言う難病は、知られているようで、そうでもないという話を聞きました。」
「お仕事を続けるわけですから、しっかりと自分のことも発信していこうと思いました。少しでもALSと言う難病のことを知ってもらう機会になればと思ったのです。」
そして、津久井さんは…“声が出なくなる前に、自分の声を残す「決断」をしました。
音声ソフトを使い、自分の声を、デジタルデータとして、残す作業が始まりました。

◆津久井教生さん◆
「ちょうどその頃に、機械の音声ではなく、自分の『声』を収録して喋る技術が登場して来たのです。この技術は『声』を失う可能性のある人には、大変嬉しい技術です。」
「事務所の協力もあり、『出来る事はやってみよう』と言う思いで、収録に臨みました。そして今に繋がっているのです。」
それがいつか、新しい「自分の声」になると信じて…。

しかし、ALSは、非情にも進行を続けます。
手足の自由を奪うだけでなく、やがて「呼吸」を司る、筋肉をも動かなくさせていくのです。
徐々に、体の自由を奪っていく「ALS」。そして、津久井さんの、命でもある「声」にも、その病魔は…襲い掛かります。














