6月3日に開幕した、バレーボール最強国決定戦「ネーションズリーグ」。2大会ぶりのメダル獲得へ向けて突き進む女子日本代表の攻撃を牽引するのが、佐藤淑乃(24)だ。日本の若きエースとしてバックアタックなどを次々と決め、その活躍と共に人気も沸騰している。

「バース・デイ」が取材に訪れた日、佐藤は同い年の日本代表・和田由紀子と共に美容雑誌の撮影に臨んでいた。「慣れてないですよ」と笑う彼女だが、「メイクはすごく自分のモチベーションが上がるから、自然とプレーも良くなる」と語る。女子バレー界に現れたニューヒロイン。しかし、その輝きの裏には、人知れぬ苦悩があった。かつて代表のコートから遠ざかった、空白の2年間が存在するのだ。
佐藤は「そのステージに立ったから。『また立ちたい』と思うようになってから落ちてしまったので」と、当時の心境を明かす。挫折を乗り越えた日本のエース、その覚醒への軌跡を追った。
「絶対に古賀の対角の1番候補」大学生で日本代表初選出
現在、日本代表の中核を担う存在となった佐藤。今年、代表に招集されたのは37人。10代も加わった若いチームの中で、佐藤は精神的支柱でもある。
練習後、初めて代表に選ばれた母校・筑波大学の後輩である大森らに「いっぱい持っていきなよ、和田のやつも持って帰りな。いいよ、これ由紀子が忘れていったから」と気さくに声をかける。「お金は足りてる?お金足りないですよね、大学生」と笑いながら後輩を気遣う姿があった。

千葉の強豪・敬愛学園高校でキャプテンを務めた佐藤は、3年生のインターハイで優秀選手に選ばれ、高校選抜にも名を連ねた。卒業後は名門・筑波大学へ進学。大学2年で迎えた全日本インカレでのプレーが、当時の日本代表監督・眞鍋政義の目に留まった。
眞鍋は当時の印象をこう語る。 「インカレ見て筑波の中西監督に『絶対に古賀の対角は一番候補、佐藤です』って言ったくらいです。打つねえ、あんな細いのにバネがあって打つ。サーブも良い!」

2022年3月、大学生にして日本代表に初選出された佐藤は、「背番号38番、佐藤淑乃です。世界を相手に戦うのは初めてなのですが、自分の良さであるスピードとパワフルさを活かしてチームの勝利に貢献していきたいです」と意気込みを語っていた。
身長178センチ。力強いスパイクと、強烈なジャンプサーブ。サーブで流れを変える切り札として期待を寄せた眞鍋は、次世代を担う3人を「ブレイクスリー」と命名し、佐藤はその1人に選ばれた。

















