◆津久井教生さん◆
「私は、足から症状が始まったのですが、最初は、『何がなんだかわからない感じ』でした。まず、なんでもない道で派手に転んだのですから。」
「それが、だんだんと『歩きにくさ』を感じるようになってきて、明らかに『何かがおかしい』と、思うようになりました。」
「普通に歩けていた駅までの道が、途中で休まないと、たどり着けなくなったのです。一体、『何が起こっているんだー』という感じでした。」



津久井さんは、整形外科を受診。しかし、異常は見つからず、神経内科で検査を重ねますが、原因は、なかなかわかりませんでした。

そして、およそ半年におよぶ検査を重ねた末に、伝えられた病名は…
「ALS・筋萎縮性側索硬化症」。




「ALS・筋萎縮性側索硬化症」とは、脳からの「動け」という命令が、体に届かなくなり、筋肉が痩せ細っていく難病。

「意識や感覚は鮮明なまま、徐々に手足の自由が奪われ、やがて、自力での呼吸もできなくなる」と、医師から 伝えられました。

根本的な治療法は、まだ見つかっていません。



◆津久井教生さん◆
「まずは病名がわかって、ホッとしたのが一番の思いでした。ただALS(筋萎縮性側索硬化症)と言う診断結果に関しては、やはりショックでした。
できれば避けたかった病名です。
病名が解れば、病気と闘えると思っていたのですが、ALSは治療法が確立していない難病ですからね。」




病気や怪我なら、リハビリは「回復」への希望です。
しかし、その当たり前の希望さえ、ALSには通用しません。

「声」を生業にしてきた人が、近い将来、「『声』を失うかもしれない」。
その残酷な、現実に、津久井さんは、静かに立ち向かう決意をしました。


◆津久井教生さん◆
「ALSと闘う方法がないのはショックでした。」
「でもその時点で、まだ『声』は出せていたのです。事務所に協力してもらって、声のお仕事を出来る限り続けさせていただくことになりました。」
「そうなのです。なにもできないわけじゃないのです。今できることをやっていこうと思いました。たくさんの応援も背中を押してくれました。」




しかし、ALSの診断と、ほぼ同時期に、さらなる衝撃が、津久井さんを襲います。
肝臓とすい臓の間に、10センチもの腫瘍が見つかったのです。