働く喜びとつながる温かさ
取材した日の午後6時過ぎ、パンが焼け、他の料理も完成し、招待された女の子とお母さんがやってきました。ウェルカムドリンクから、スープ、サラダ、メインのパンの料理、最後のデザートまで、利用者が組んでいるスタッフ、ボランティアと一緒に代わるがわる、配膳をします。
この日招待されたお二人は、以前の形の子ども食堂や学習支援などを通じて、けやきの家の方々とは顔なじみ。「大きくなったね」といった会話がはずみます。そして、ちょっとしたお祝い事が最近あったそうなので、食べている頃合いを見て、1人のスタッフが「きょうはですね、みんなから元気になれる歌をプレゼントしたいと思います」と声をかけ、全員で「世界に一つだけの花」を歌いました。
女の子に話を聞くと「ここで作ってくださるパンとか、心がこもってて、全部すごい美味しいし、歌もすごい感動して、きょうはめっちゃ嬉しいです」と話します。お母さんは「この場で、社会とつながりを提供してもらっています。みんなで食事を囲むことにとても温かさを感じます」と話していました。
内城さんは「いつもこの場が、利用者ご本人の中でやりがいになっているのを感じます」と話します。人それぞれ得意なこと、できることはあり、また状況も変わるので、金曜日のパン作りのほか、地元農家が提供する野菜を販売したり、一人暮らしの高齢者の家の庭掃除といった作業もあり、どれも作業の対価として謝礼が支払われています。
10年続いてきた、埼玉県三芳町のデイサービスセンター「けやきの家」の取り組みは「認知症と付き合いながら、地域で暮らしてゆく」、ひとつのモデルケースになり得るのかもしれません。
(TBSラジオ「人権TODAY」担当: 崎山敏也記者)














