年始からさまざまな競技が盛り上がりを見せていますが、この冬の期間に力を蓄え、春以降、大輪の花を咲かせようと練習に励む選手もいます。
高川学園高校陸上部2年先村若奈選手もその1人です。

女子100メートル、県総体の記録更新など注目されてきた彼女もことし(2023年)が高校ラストイヤー。
この1年に懸ける意気込みを聞きました。

今月4日、冬らしからぬ強い日ざしが降り注ぐグラウンドで、彼女は走っていました。
高川学園高校2年、先村若奈選手。
練習始めとなったこの日は、トレーニングを中心におよそ2時間、自身のコンディションを確認しました。
100メートルという100分の1秒を争う繊細な世界、一つ一つの動きに神経を集中させます。

先村若奈選手
「自分のコンディションを高い状態で試合に臨めるかっていうのを常に意識していて、そこを達成してからの結果があると思っているので」

おととし(2021年)、高校1年生にして女子100メートルの県総体大会記録を更新した先村選手。
2022年は、記録ずくめの1年でした。
5月に行われた県総体ではみずからの記録を更新し優勝。
勢いそのままに臨んだインターハイでも全国3位に輝きました。

そして10月、とちぎ国体、少年女子の部で、インターハイ王者の藏重選手を破り、初めての全国優勝。

先村若奈選手
「国体優勝できたのも、いろいろな方々の支えがあって、そういう舞台に立てて、結果を残せたっていうのが自分の中で一番印象に残っています。こんなに早く日本一になれると思ってなくて、驚きとうれしさが混じったような感情がありました」

高校3年生での全国優勝を目標にしていたという先村選手。
予想以上の結果に驚きつつも、より高いレベルを求め、新たな挑戦に踏み切りました。

国体優勝の9日後に山口市で行われた田島直人記念陸上。
先村選手が出場したのは、高校の部ではなく強豪ひしめくグランプリの部でした。

「速い選手がいる中でもどれだけ自分の走りができるかっていうのを意図として出場しました」

見事予選を突破し、決勝に進出。
決勝では7位ながらも、年上相手に堂々と渡り合いました。

「世界陸上でリレーで走っている君嶋選手と兒玉戦選手がいる中でのレースだったので、すごいいい経験になったというか、自分が速い選手たちと走って、タイムの速さだとか、動きの速さを間近で感じることができて、すごいよかったなって思ってます」

自身の体に刻まれた、日本トップの走りを持ち帰り、2023年、さらなる進化を遂げようと練習に励みます。

先村若奈選手
「高校の集大成ということになるので、本当に悔いの残らないような結果を残したいですし、高校で得た経験を大学でも生かしていけるような、そんな年にしていきたいなと思ってます。今シーズンももう一度全国制覇をして、これまで支えて下さった方々に恩返しができるように頑張りたいと思います」