表現の正確性はどこまで必要か――監修者が見た“リアル”の作り方
鳴海氏はこうした現場の感覚も踏まえ、本作の監修に携わった。
台本の段階から、捜査の流れや会話、動きに矛盾がないかを確認するほか、細部の調整も行った。印象的だったのは、画面にほとんど映らない書類にまでこだわる制作姿勢だった。
「『視聴者は画面を止めて見るから』という理由で、『この書類は違う』と言われないように細かいところまで作り込みました」と語る。
一方で、全てを現実通りに再現することが正解ではないという認識もある。「実際の警察の動きをそのままやっていたら、ドラマとしては成り立たないと思います」。
リアルと演出の間で、どこまでを正確に描くか。そのバランスを見極めることが重要になる。
「撮影現場では『リアルに近づけるため』に何度も撮り直しをしていて、そこまでやるんだと思いました」と、スタッフたちの撮影へのこだわりも目の当たりにした。
現実を知る立場として、全てに介入するのではなく、物語とのバランスを尊重する。その距離感も、監修という役割の一端といえる。
制度、感情、そして元警察官としての“現場”での経験。その全てを踏まえた上で本作の監修を引き受けた鳴海氏の言葉からは、鳴海氏が本作の“奥行き”を支えていることが伝わってくる。














