“復讐”という選択をどう捉えるか

本作では、かつての被害者が加害者へと転じる構図も描かれる。

その描写について鳴海氏は、「非常に気を使って書かれている」と受け止めながらも、明確な一線を引く。

「気持ちは分からないでもないですが、復讐は良くないことです。被害者が刑事責任を問われる立場になってしまうことになりますから」

被害者であることと、加害行為が許されるかどうかは、当然別の問題だ。現実の世界では、多くの遺族が葛藤を抱えながらも法の枠組みの中で答えを求めている。

その中で「自ら裁く」という選択が持つ意味は重い。感情として理解できる部分があるからこそ、その線引きはより難しくなるが、「やってはいけないことだと思います」と言い切る。

田鎖兄弟の復讐が物語の軸として描かれている本作についても、「『やはり許されることではない』と受け止めてもらえれば」と、フィクションとリアルにはしっかりと線を引いている。

「最終的には、警察に任せてもらえればありがたいですね」と、元警察官らしい言葉で、被害者や遺族に寄り添う。

被害者が一転して加害者になり、逆に法で裁かれる立場に陥ってしまう危うさ。田鎖兄弟の切実な思いにどう向き合い受け止めるのかは、視聴者にも委ねられている。