「これでいいのか」――時効送致を経験した刑事の実感
刑事として長年捜査に携わってきた鳴海氏にとって、「時効」は制度であると同時に、割り切れない感情を伴う現実でもあるという。
「1件、時効送致(容疑者が特定されないまま、公訴時効を迎えて書類を検察に送ること)したことがあるんです。でも、これでいいのかと思っていました」
自身も、本作のテーマの一つである“時効”について最初に関心を持ったのは、数日の差で時効を迎えてしまった人たちの存在だったという。田鎖真(演:岡田将生)と稔(演:染谷将太)の兄弟がどのように犯人捜しを行い、犯人を見つけた時に何をするのかという設定に関心を持ち、監修を引き受けた。
多くの人が、犯人を見つけ真実を明らかにしたいと考えるだろう。しかし、制度として時効が成立すれば、それ以上は追うことができない。
「結局、捕まらなかったらそれで終わりなのか、という思いがありました」。時効は一つの区切りではあるが、現場の感覚として「終わり」ではない。その違和感が、捜査に関わった者として、今も残っている。














