“謎の4世紀”解明へ 3枚の鏡のクリーニング

2か月後、奈良県立橿原考古学研究所では、巨大蛇行剣の梱包作業が慎重におこなわれていた。約1年間にわたる緻密なクリーニングを経て全容が明らかになった巨大蛇行剣。より本格的な保存処理がおこなわれる段階となり、別の施設に移されていった。

同じ部屋で始まったのが、3枚の鏡のクリーニング。巨大蛇行剣を担当した、奈良県立橿原考古学研究所・奥山誠義総括研究員が引き続き作業にあたることになった。

3枚の鏡は重なっていた順に上から1号鏡、2号鏡、3号鏡とされた。まず、三角縁神獣鏡と言われていた、1号鏡からクリーニングが始まった。鏡面を傷つけないように筆で土を落としていく。

――鏡面すごくきれいですね

奈良県立橿原考古学研究所 奥山誠義 総括研究員
「そうですね。仕上がりとしては非常にきれいな平滑な面を持っている」

土が取り除かれた部分の鏡面は、サビも少なく、1600年もの間、土の中にあったとは思えないほどの光沢がある。半月後、1号鏡の鏡面のクリーニングが終わると2号鏡の作業が始まった。

真ん中に挟まれていた2号鏡。1号鏡の弧の痕がくっきりと残っている。鏡面に付いた土を、慎重に、ミリ単位で取り除く。さらに1か月後、奥山がクリーニングをおこなっていたのは、一番下に位置していた、3号鏡だ。

――割れているのがわかりますね

奈良県立橿原考古学研究所 奥山誠義 総括研究員
「そうですね。大きく2つに分かれているんですけど、小さい破片もいくつか生じていて、最終的にこれを一体化していくことも必要になってくると思います」

上の2枚や土の重量のためか、大きく割れている3号鏡。これまでの2枚と同様、表面の土を慎重に削ぎ落していく。その後、3枚の鏡は反転され、それぞれの文様がある面のクリーニングが始まった。文様を傷つけないように。繊細な作業は1年以上続いた。

奈良県立橿原考古学研究所 奥山誠義 総括研究員
「土自体が非常に細かな粒子であり、なおかつ鏡に張り付いた状態であったことから、作業が非常に難航しました。3面ともに鏡式もそれぞれ違うし、青銅の雰囲気も違うので、土の付き方、腐食の仕方も異なるので、そのあたり非常に気を使いました」

そして、ついに3枚の鏡の全容が明らかになった。