村も盛り上げられるように…
いまは組合の施設を借りていますが、独立に向け今年、村内に古民家を購入し、工房を開く準備を進めています。
井上慧さん:「お六櫛自体は、自分は村の産業と思ってるので、自分のものではないという考えなので、できるだけPR活動もして村も盛り上げられるように」

お六櫛を知ってもらうために県内外のイベントなどにも精力的に出向き、休日には、地元の宿場町で実演も行っています。
さらに、こんな取り組みも。
この日、井上さんがやってきたのは、地元の中学校です。

「これから第一回、お六櫛グループの活動を始めます、お願いします」
始まったのは、お六櫛について学ぶ授業。
井上慧さん:「ミネバリという材料で作るということが、1つのお六櫛の特徴です。これが原木のブロックです。これを回してください」

11月までの全11回で櫛作りを体験できる、毎年人気の講座。初回のこの日は、組合を代表して井上さんがお六櫛の歴史や現状などについて話しました。
生徒:「難しさとか魅力とかもやってみないとわからなくて、このお六櫛も、地域の伝統に触れる1つの手段というか、(職人が)1対1で教えてくれることもあるので、とてもありがたいことだと思う」
生徒:「(井上さんの存在について)1つの職種の選択としても考える幅が広がっているのかな、見本みたいな感じになっているのかなって思います」
お六櫛の技術は今年、文化庁が定める「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」として選択されました。

それは同時に、「何らかの努力をしなければ失われてしまうかもしれない」ということです。
300年の伝統をその先へ受け継ぐ重責も感じつつ、井上さんは新米職人として歩み出しています。

井上慧さん:「作業だと思うんですよね、くしを使う時って。それが、気持ちいいからついつい使っちゃうみたいなところまで行けたらいいなって思っていますね。手放せない、(使った人が)やっぱこれだよねって言ってくれるようなところまで作っていきたいなと思っています」














