江戸時代から続くお六櫛
およそ300年前、江戸時代から続くお六櫛。御嶽信仰で木曽を訪れた人や、江戸と京都を結ぶ中山道を通った人々が土産物として持ち帰り、全国に知られるようになりました。

主に使われるのは、斧が折れるほど硬いことから「オノオレカンバ」の別名を持つミネバリの木。
職人の手で等間隔に挽かれた櫛歯(くしば)は細かいものだと0.5ミリほどの細さで、静電気が起きにくく、髪をとかせばツヤが出ます。

ただ、戦後は機械化が進み、手挽き(てびき)の技術を持つ職人は激減。
安価で手に入りやすいプラスチック製などのくしやブラシに押されて徐々に需要も減り、現在、生産者の組合に加盟する専業の職人は、わずか3人だといいます。

井上さんは、そんな、今まさに後継者問題に直面する仕事に可能性を見出し、自らこの世界に飛び込んだのです。














