李容浩(リ・ヨンホ)元外相の「粛清報道」
今年も間違いなく続くと思います。金正恩氏は年末の会議で対南戦力を強化すると言っています。今まで見せた以上の武器はやっぱり作って、それを証明しなければなりませんので実験を続けると思います。
―――ミサイル発射の後に、必ず抗議するわけじゃないですか、あの抗議は届いてないんですか。
抗議程度では全く聞きません。北朝鮮に対して国際社会は20年以上いろんなことをやってきました。説得したり、支援をしてみたり、やったんですが全く効かないです。抗議ではなく新しい何かを考えなければならないです。
―――一方、北朝鮮を代表するアメリカ通の外交官・李容浩(リ・ヨンホ)元外相が「粛清された」、韓国の情報機関が粛清を確認したと報じられています。ただ「粛清」って難しい言葉で、「厳しく取り締まるとか不正を取り除く」という意味で使われることもありますが、今回は李教授によると、処刑の可能性は低いということですか。

ちょっと今のところはっきりしないんです。4~5人処刑したというふうなことも書かれてますので、それだとかなり大がかりな粛清ですよね。それであれば、一般的には公開処刑が慣例になってるんですが、公開処刑したという情報がない。「粛清」と言っても ①革命化教育 ②強制収容所 ③処刑というようにいくつか段階がありまして、革命化教育なら、平壌から追い出して過酷な労働現場で、強制労働をさせるという。そうすればいい人になるんじゃないかっていうものですね。その革命化教育は復帰する可能性も残されてますけれども、②強制収容所に送って党籍をはく奪されれば復帰の可能性はないです。②までの可能性は十分考えられますけれども③処刑は今のところ確認できないです。
―――李容浩元外相ですけども三澤肇解説委員は、以前直撃取材したこともある。
当時アメリカと北朝鮮が核を巡る交渉をずっとやっていて、李容浩元外相が結構ヨーロッパ各地に来ていました、ちょうどベルリンに来ている情報を嗅ぎつけてホテルで張っていたら現れました。直撃すると、にこっと笑うんです、北朝鮮では珍しいちょっと柔和な感じの外交官で、当時は外務次官でしたけども「粛清」と聞くとちょっと驚きました。
―――2023年に李教授が注目しているポイントは二つです。①完全な核保有のため、開発実験に邁進するであろう。②金正日氏の誕生日(2月16日)と金日成氏の誕生日(4月15日)、この間に功績を残したい金正恩氏が核実験を行うのではないかと。
最近、衛星写真で確認したところによりますと、2月8日あたりに軍事パレードをやるんじゃないかと。2月8日は北朝鮮朝鮮人民軍創建日です。その前後も考えられますけれども、2月8日に軍事パレードをやって、その後4月15日までの間に核実験をやる可能性は十分あるというふうに見た方がいいんじゃないかと思います。韓国の尹錫悦政権がかなり厳しい姿勢をとっているので、北朝鮮がエスカレートするのがちょっと怖いです。(2023年1月6日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)














