「日本人の血液の中に抗体がある」ということは?

──この論文からどのようなことがわかりますか?

(岡山大学病原ウイルス学 本田知之教授)
「(クルーズ船のウイルスとは型が違いますが)日本のネズミにも陽性例があるし、日本人の血液の中に抗体があると言うことは感染したことがある人がいるという可能性を示しています。

ということは、感染した人が気づいていない感染(不顕性感染もしくは風邪のような症状のみ)があるということになると思います」

──どのような対策ができますか?

(岡山大学病原ウイルス学 本田知之教授)
「ハンタウイルスは、基本的にはネズミからヒトに感染するので、対策はネズミ対策です。

ネズミのいそうなところには行かないとか、食品などにネズミが集らないように蓋をするとか、ネズミの糞尿から感染するので掃除をしっかりするとか、ネズミとネズミ周囲環境に関わらないことです。

また糞尿が舞い上がると空気感染しうるので、湿度を保つとか換気をするとかも大事かと思います。

今回のはヒトーヒト間で伝播しているようですが、そのようなウイルス株が珍しいです。今回は、クルーズ船という閉鎖空間で感染が成立しやすかった可能性があり、開放空間ですぐにパンデミックを起こすという危険はなさそうです」

──予防接種はあるのでしょうか?

(岡山大学病原ウイルス学 本田知之教授)
「予防接種はわが国にはありません。げっ歯類との接触がないように環境を整備することが予防上のポイントとなります。糞や尿で汚染された場合には、掃除機やほうきなどのほこりを巻き上げるような器具は使わずに、漂白剤で汚染部を十分に湿らせます。その後ペーパータオルなどを用いてふき取り、ごみ袋に入れて廃棄します」