ハンタウイルスの感染例は過去に国内でも 2001年の論文より
今回のクルーズ船のウイルスとは型が違いますが、過去に国内でハンタウイルスの感染例があり、岡山大学などの研究グループが、2001年発表の論文で調査結果をまとめています。
研究グループは、全国の港湾地域において、ハンタウイルス(HFRSウイルス)抗体陽性ネズミの存在が継続的に確認されている状況のなか、人への感染伝播を推定することを目的として、腎透析患者を対象にした抗体検査とアンケート調査を実施しました。
論文によりますと、国内におけるハンタウイルス感染症(腎症候性出血熱:HFRS)の発生は、1970年に厚生省が初めて報告しました。
1983年から1984年にかけて行われた全国横断的な血清疫学調査では、人のHFRS抗体陽性保有率は全体で0.53%(0〜1.54%)と低率でした。
いっぽう、調査が行われた2000年ごろ、HFRSウイルス抗体陽性ネズミが高率に確認された東京湾の従業員732人の抗体保有率は2.73%に達していて、ドブネズミ・クマネズミなどの強い関与が指摘されていました。
さらに、当時、HFRSウイルスが急性・慢性腎炎発生の大きな原因となっているという研究報告(Am J Kidney Dis, 33: 734–737, 1999)がありました。この報告によれば、急性・慢性腎炎の26%近くはHFRSウイルス感染によるものである可能性が示唆されていました。
こうした知見を踏まえ、腎透析患者を対象にHFRSウイルス抗体調査とアンケート調査を実施し、ネズミ族のHFRSウイルス抗体陽性地域との関連性について検討が行われました。
当時、大阪港・神戸港の港湾地域でHFRSウイルス抗体陽性ネズミが確認されていたことから、大阪府・大阪市・神戸市・広島県・岡山県地域の腎透析患者を対象に、アンケート調査と患者同意に基づく血清提供が行われました。














