2023年の年始早々、軍事施設が爆撃され大量の兵士を失ったロシア。プーチン大統領は戦争の長期化に備えて「兵士の精子の冷凍保存」や「徴兵忌避・脱走への重罰化」を進めているのではないかと話すのは、大和大学の佐々木正明教授です。

―――新年早々、少し不思議なニュースがありました。「ウクライナ軍の攻撃によりロシアの兵士89人が死亡した。禁止されていた携帯電話を使用して位置が特定された」とロシアの国防省が発表しています。何が不思議なのかと言うと「なぜ位置を特定された理由、携帯電話の使用のことも発表したのか」佐々木教授の考えでは「今後、前線に投入される新兵の戒めではないか」。

はい。発表自体がとても異例なんですけれども、今ロシア国防省は批判されており、責任者を刑事罰に問うべきだという声も出ています。89人とありますが、おそらく更に亡くなっている。なぜこの位置が特定されたのかというと、新年1月1日に、兵士がロシアにいる家族に、大量にお祝いのメールで携帯電話を使用したんです。そこで位置が特定されて、ハイマースによって一撃に兵士の宿舎が爆撃にあって亡くなったということなんです。ロシアの家族にしてみれば、息子や夫と連絡を取り合った後、亡くなっているという状況。ですから、これを発表するのであれば、必ず遺族や関係者から批判が出ます。

それでも発表した理由は、実はロシアのクリスマスは1月7日なんです。7日がクリスマスなんです。ですから、1月7日にまたメールを出すかもしれない、もしかしたら電話をするかも知れないということで、戒めのために発表したんではないか。新兵がどんどん投入されておりますので、その戒めとしてわざわざ発表したんではないかというふうに私は読んでおります。

―――携帯電話の使用禁止が守られてないというのは、統率がとれていないということですか?

当初からありました。なぜロシアの指揮官が亡くなっているのか、なぜウクライナ側に新兵が上官を批判するぼやきなどが把握されているのか、携帯電話から漏れているんですね。持っていって戦場で使われている現状がある。そして位置が特定されて大きな情報になる。これはね去年2月の開戦から同じような状況になってるのを、1月1日にまた使ったということだと思います。

―――戦争の長期化に向けて備え始めているロシアとして、佐々木教授にポイントを三つ挙げてもらいました。①動員令の効力継続 ②徴兵忌避や脱走の重罰化 ③兵士の精子の冷凍保存を無料化、ということなんですが、特に三つ目は、どういう意味なんでしょうか?