富山県の新田知事は、県が成長戦略の中心とする主観的な幸福度を重視した「真の幸せ」、ウェルビーイングの指標を発表しました。県独自のこの指標は、数値化した幸福度を七色の花に見立てて、見える化するもので、県の政策の基礎になるデータとして活用する方針です。

新田知事:
「幸せ人口1000万、ウェルビーイング先進地域富山。そのような幸せ人口を増やしていく。そして富山県の皆さんのウェルビーイングを高めていく」



ウェルビーイングは富山県が去年策定した成長戦略の柱で、新田知事肝いりの政策です。


この政策を県庁内で横断的に進めるため、県は去年4月、ウェルビーイング推進課を設置。

18歳以上の県民5000人を対象にウェルビーイングに対する意識調査を実施し、2754人から回答を得ました。


会見では、この調査結果を踏まえて県が独自に策定したウェルビーイングの指標を新田知事が説明しました。

指標は、数値化した幸福度を七色の花に見立てていて「総合」と「分野別」、「つながり」の区分があり、それぞれの設問を通して幸福度を数値化します。


「総合」は自分にとって最も理想的な状態をイメージし、どの程度満たされているか評価するもので、過去、現在と未来への期待を含めた評価を11段階で行います。


「分野別」は「ウェルビーイングなないろ指標」と題し、心身の健康実感、経済的なゆとり実感など7つの分野に分かれて設問があり、4段階で評価します。


「つながり」は家族や友人、職場、学校など社会とのつながりを意識したもので、こちらも4段階評価で幸福度を測ります。指標は幸福度の数値をもとに花びらや葉の形、大きさが変わる仕組みです。


県は年度内に設置する特設サイトで県民1人1人のウェルビーイング状態がわかる機能を設けるほか、政策判断の基礎となるデータとして活用します。

新田知事:
「富山県として皆さまの意識と行動を後押しする。豊かで潤いのある環境をつくり出していくために、ウェルビーイングの普及、向上の施策をしっかりと展開をしていきたいと考えます」


新田知事は、県民の幸福度の数値が上向きになることを目指すとした一方で、幸福度の数値目標は設けないとしました。ウェルビーイング政策が県民の暮らしに恩恵をもたらすことができるのか、今後の関連施策に注目が集まります。