憔悴しながらも見せた“丁寧さ”
「結希さんが着用していた服装の特徴は?」
「普段どんなお子さんですか?」
「ご家族からの呼びかけやメッセージはありませんか。少しでも早期発見の手助けがしたいのです」
些細な手がかりでも知りたい私に対し、安達容疑者はこう答えた。
「今は…丁寧なお願いをされて申し訳ないのですが、そんなお話しできる状態ではなくて。すみません」
その拒絶の仕方は、驚くほど丁寧だった。
子どもが行方不明になり、極限の精神状態にある家族に取材を申し込めば、激しく拒絶されたり、怒りをぶつけられたりすることを覚悟していた。
しかし彼は、震えるような声ではあったが、言葉を選び、取材者である私に対して、気を遣うような素振りさえ見せた。
京都府警が公開した結希さんの写真の提供を求めた際も、「府警に一任していますので」と短く応じ、静かに扉を閉めた。
その瞬間の私は、「なんと丁寧な人なのだろう」と、“悲劇の渦中にいる父親”に同情の念を抱いた。














