体操の東京五輪団体総合の銀メダリスト・北園丈琉(20)などが所属する徳洲会体操クラブが5日、神奈川県鎌倉市で新春初練習を行った。去年は15年ぶりに全日本団体選手権を制すなど、強豪チームの練習は高難度の技が連発、活気のあるものとなった。(写真左から北園選手、杉野選手、川上選手)

東京五輪団体銀のメンバー北園は、鉄棒でF難度の離れ技【リューキン(鉄棒を背面でとび越しながら1回捻り、再び鉄棒をつかむ離れ技)】や、あん馬でF難度の大技【ブスナリ(あん馬の上で倒立したまま体を1回捻る大技)】に取り組むなど、4月からの代表選考試合に向けたDスコア(演技構成点)向上を意識して練習。

全日本シニア選手権で個人総合で優勝を果たしたキャプテン杉野正尭(24)。得意の鉄棒の練習に入ると、日本人として公式戦で唯一成功させたF難度【ペガン(前方に抱え込み2回宙返りし、半分捻ってから再び鉄棒を掴む離れ技)】に挑戦。計5種類の離れ技を見事に成功させるなど状態の良さを伺わせた。

種目別選手権・鉄棒で日本一に輝いた若手のホープ・川上翔平(19)は鉄棒でD難度の【アドラー1/2捻り倒立】から、E難度の離れ技【コールマン(バーを越えながら後方抱え込み2回宙返り1回捻り、再び鉄棒を掴む離れ技)】を連続して成功させ、得意種目に更なる磨きをかけた。苦手とするつり輪では、伸身姿勢で行うE難度【グチョギー(伸身の姿勢で2回宙返りをかけて懸垂)】の練習に励むなど、オールラウンダーとして勝負するための練習に力を注いだ。

そして、正月ということもあり、練習後には、この3人に新シーズンに向けた抱負を“書初め”で表してもらった。北園は成し遂げる『遂』と書き、「何事も練習からやり遂げることがそのまま試合の結果につながると思う。毎日やり遂げることで自分の行きたいところに行くことができる。毎日の練習をやり遂げて、自分の行きたい場所に行く、そんな年にしたい」と話した。

杉野は勝利の『勝』。「去年は僕含めて徳洲会が勝ち切れなかった部分があったということもありますし、僕自身も最後の最後で(世界選手権代表を)逃してしまった。必ず代表を勝ち取る、世界選手権団体の金も勝ち取ることを目指すべく『勝』にしました。今年は1試合1試合を勝ち切ることを目標に世界選手権の代表というのは僕の中で決まっていることにして、世界選手権の団体金メダル、そして、あん馬・鉄棒でも金メダルを獲って、2024年のパリ五輪に向けて良いスタートを切れるように頑張っていきたいと思います」。

川上は復活の『復』の一文字を書き記し、「去年はケガをしたので今年の試合が復帰戦という意味を込めたのと、川上翔平が復活するという意味で『復』です。復帰戦となる4月の全日本個人総合選手権でユニバーシアードの出場権を必ず獲得したい。その勢いに乗って、NHK杯で世界選手権の代表を決めることが目標です」と気合を入れた。