重要法案が党内で漂流 高市政権の行方を占う綱引き
与野党双方が「重要法案」と位置付ける法案が、閣議決定前の党内審査でこれほど紛糾するのは極めて異例のことだ。
今回の議論の特徴は稲田氏ら反対派の声が大きく報道される一方で、政府案に賛成する議員の声があまり表に出てこないことだ。当然、党内の全員が抗告の禁止を主張しているわけではない。

「いわば国民にペナルティを与える刑法は民法とは違う。三審制、法的な安定性は大切だ」「高市内閣が提出する法案は粛々と進めるべき」といった意見も存在する。ただ、ある自民党関係者は「政府案に賛成する側の主張は国家論的な話で世論的にも得にならないから声が大きくならないのではないか」と指摘する。

仮に法案が提出されることになっても成立までの道のりは長い。党内で決着した後、与党の日本維新の会と協議し、了承の手続きを取る。この後ようやく閣議決定されて国会に提出される。
国会に提出されてからも成立までには大きな壁がある。衆議院では与党が圧倒的な議席を持つが、参議院は過半数を割る「少数与党」の状態であり、審議の舞台となる法務委員会の委員長は野党が務め、野党の多くは抗告禁止を求めるとみられる。青木記者によると、反対派議員からは「自民党内ですら納得させられない説明で、国会審議を乗り切れるとは思えない」との声も上がっているという。

高市総理は、総理就任後の所信表明演説で「再審制度のやり直しに対して検討を進める」と表明しており、この法改正は政権の公約の一つでもある。しかし、現状は「与党審査も踏まえて適切に判断する」と述べるにとどまり、静観の構えを見せている。
「重要法案が成立しなければ、政権へのダメージは必至」との声もあるだけに「生煮えのまま強行するか、法案を取り下げるか。今や大詰めの段階だ」と青木記者は話す。最終判断を下す総理の対応が注目される。














