2018年5月、福岡市の軽度の知的障害がある生徒たちが通う学校で実施された胸部レントゲン検査中に女子生徒(当時15)に着衣の上から胸をもみ、準強制わいせつ罪に問われた診療放射線技師・江崎有樹被告(44)の裁判。

2021年10月、差し戻し前の1審(福岡地裁)は「女子生徒の裁判での証言には、信用性に疑問の余地があるうえ、それ以外に被告人が行為に及んだことを認める証拠はなく、犯罪の証明がない」として江崎被告に無罪判決を言い渡した。

検察側はこの判決を不服として控訴。

福岡高裁は2022年7月、1審の福岡地裁が事件の12日後に実施された女子生徒に対する司法面接の状況を記録した録音録画媒体について証拠請求を却下し、女子生徒の証言の信用性を否定して無罪判決をした点に審理を十分尽くさなかった法令違反があったと認定。
1審の無罪判決を破棄し、事件を福岡地裁に差し戻した。

差し戻し審で最大の争点となったのは、2018年5月21日、事件から12日後に実施された司法面接における女子生徒の供述の信用性であった。

検察側はこの供述について信用性があると主張。
一方、弁護側は「記憶の汚染」の可能性を訴えて無罪を求めた。

福岡地裁は、検察側と弁護側がそれぞれ請求した心理学の専門家2人の意見を詳細に検討した上で、女子生徒の供述は信用できると判断した。

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