19日に仙台市の中心部でクマが駆除されましたが、クマが目撃された場所を改めて見てみると、最初に目撃されたのは、仙台市青葉区国見1丁目です。

クマは同一の個体とみられ、そこからJR仙山線の南側の区域を移動していたようです。では、このクマはどこからやってきたのでしょうか?

専門家は今後、市街地への侵入を防ぐため、「ルートの特定と対策を急ぐべき」と指摘しています。

森林総合研究所多摩森林科学園 岡輝樹主任研究員:
「おそらく、広瀬川沿いをたどって、川から上がったら市街地だったという可能性が非常に高い」

クマの生態に詳しい森林総合研究所多摩森林科学園の岡輝樹さんです。岡さんは、今回の市街地への出没は、春から夏にかけてのクマの「エサの探し方」が深く関係していると指摘します。

森林総合研究所多摩森林科学園 岡輝樹主任研究員:
「冬眠明けのクマは木の芽や若葉などを体に取り入れつつ、少しずつ回復していくという段階。クマが食べる餌は広く散らばっているので、移動の途中で街中に出ることっていうのもしばしばあるということには注意しないといけない」

冬眠に備える秋のクマは、限られた種類の餌を多く食べるのが特徴で、餌が枯渇している場合を除き1か所に留まることが多いと言います。

しかし、冬眠明けの春や繁殖期の夏は、木の芽などの餌が広範囲にあるため、クマは餌を求めて活発に動き回るのです。今回のクマも餌を探す中で市街地に迷い込んだ可能性が高いと言います。

森林総合研究所多摩森林科学園 岡輝樹主任研究員:
「これだけの市街地の中で、いつ人に対して危害が加えられるかわからない状況では、そういう形(緊急銃猟)で判断するしかないと思う。これは間違っていなかった。ただ緊急銃猟というのは、最後の手段でいわゆる止血作業。それだけでは今後の解決にはならない」

岡さんは今後、市街地に出没するクマを減らすためにも「侵入経路を特定すべき」と話します。

森林総合研究所多摩森林科学園 岡輝樹主任研究員:
「どの地点で市街地に入り込んだのかを特定することはすごく大事。おそらくそれが分岐点になっていて、将来的には重点的に管理しないといけない場所。今後のことを考えると、河川敷の藪の管理やごみの処理の問題があるのであれば、そこを改善していかないと、次回のクマの侵入を防ぐ対策にはつながらない」

岡さんは、このほか、春は山菜採りなどで山に入る人が増える時期だとして、山に入る際は「単独行動を避ける」「音を出して人の存在を知らせる」など、クマと出会わない工夫を徹底してほしいと話していました。