特集は「米粉」についてです。小麦価格が高騰する中、今、あらためて米粉が注目されています。


米粉用米の全国の需要量の推移をみると、ここ最近は年々伸びていまして、最近の小麦の値上がりもあり、さらに増える可能性もあるということなんです。

宮崎県内での米粉の利用は、いま、どうなっているんでしょうか?県内の現状、そして、可能性を探ります。

米粉用の米の生産者は

延岡市で、米粉用の米を生産している松田宗史さん。現在の状況を聞いてみると・・・

(祝子農園 松田宗史さん)
「原料のコメが足りなくなるんじゃないかなと心配してます。それくらいブームがきてるような感じがします」

と、うれしい悲鳴の松田さん。



10年以上前から、無農薬・無化学肥料にこだわって、米粉用の米を栽培していて、作った米は、自ら製粉しています。


(祝子農園  松田宗史さん)「ものすごく粒子が小さいでしょ」

さらに、製麺機も導入していて、麺やパスタに加工。直接、全国の消費者に販売していますが、今年の注文は去年の1.5倍に増えているそうです。好調の理由について、松田さんは、こう分析します。


(祝子農園 松田宗史さん)
「米粉でパンやケーキを作ったらその分付加価値が上がるし、珍しいからお客さんが食べてみたいということで、需要が増えているんじゃないかと思ってます」

米粉100パーセントの食パンやマフィン

一方、今月4日、宮崎市にオープンしたばかりの「PONQPON」。

店内に並んでいる食パンやマフィンは、全て、小麦粉を一切使用しておらず、米粉100パーセントの商品です。


店をオープンさせたきっかけについて、オーナーは・・・

(PONQPON 齊藤久美オーナー)
「5年前に突然私が小麦アレルギーが発症しまして、それを機会にこのようにグルテンフリーの専門店をオープンしました」

自身が、小麦アレルギーという齊藤さんの作るパンやお菓子。米粉だけで製造し、「グルテン」を全く使用していないため、腸内環境を整えるとされるグルテンフリーの商品としても人気なんです。

客の中には、グルテンフリーのパンを求めて訪れた人もいました。

(買い物客)
「小麦を控えていて、米粉のパン屋さんを探していたらちょうどこちらのお店がオープンしたということだったので。(試食したら)想像以上に正直おいしかったです」



(PONQPON 齊藤久美オーナー)
「アレルギーの方はもとより、『米粉パンちょっと食べてみたいわ』という興味のある方や、ちょっと健康を意識している方、そういう方に来てもらえるとうれしい」

一時の流行でなく食生活に


小麦価格の高騰、さらには、健康志向の高まりにもマッチし、あらためて注目されている米粉。

10年以上前から、米粉を製造・販売しているミヤベイ直販の担当者は、その魅力について、こう話します。

(ミヤベイ直販 黒木賢哉さん)
「ほぼほぼ小麦の代用としてお使いできます。唐揚げったり、天ぷらだったり、お菓子作りだったりですね。米粉をまた再認識していただいている時期なのかなと思います」

独自の取り組みで、順調に、米粉の生産を増やしている松田さんは、その将来性に、手応えを感じています。

(祝子農園 松田宗史さん)
「日本国内でコメ余りで政府が困ってますから、コメが足りなくなるほど需要があれば、新しく農業やろうという人が増えてきて、耕作放棄地も減ってくる」


日本人に身近なコメを活用した米粉。

一時の流行ではなく私たちの食生活にしっかりと根付いていくのか、関係者の期待が高まっています。

※MRTテレビ「Check!」4月19日(火)放送分から