残る不公平 “旧姓使用”では解決しないもの

小川彩佳キャスター:
選択的夫婦別姓の議論はずっと漂流し続けているような感覚がありますが、この名字の問題をどうご覧になりましたか。

文筆家 伊藤亜和さん:
去年結婚しましたが、私の本名は伊藤ではなく夫の名字に合わせました。最初は夫も「伊藤にしてもいいよ」と言ってくれましたが、お互いの家族の意見もあって結局夫の名字に合わせました。

私自身は名字を変えることに元々抵抗はなかったのですが、変えたらやっぱり寂しいというか、何かを失ったような気持ちになりました。

藤森祥平キャスター:
気持ちを実感するのはどんなときですか?

伊藤亜和さん:
書類に書けなくなったことですかね。病院で呼ばれる時とか。
私は仕事を伊藤のままでやっていますが、そうじゃない方はもっと感じるのかなと思います。

藤森キャスター:
今、旧姓使用を広げることの法制化が検討されています。

▼旧姓伴記可能
・マイナンバーカード
・パスポート

▼一部で認められず
・銀行口座作成
・クレジットカード記載

こういった不便さが残っているため、その解消が課題になるということです。

伊藤亜和さん:
私は選択的夫婦別姓を早く導入して欲しいなと思っています。
しかし、旧姓使用が可能になると事実上は面倒な手続きがなくなるかもしれないが、書類上の名前は変わっている。

変えてみてわかりましたが、変えた側には「変えたのに」「合わせたのに」という気持ちが湧いてきます。「キッチンの生ゴミ取ってよ。名字変えたんだから」みたいな本当に些細な向こうへの不満が出てきてしまう。
相手の家に入るということをしているから、最初の時点でフェアじゃない。
「それをしたからには、どうしてこれをしてくれないんだ」といった不満に少しずつ繋がってるような感覚があります。

藤森キャスター:
当初は徹底して話し合って2人で決断しても、いつしか合わせてもらった側は何となくその意識が薄れていると、はっとさせられました。

伊藤亜和さん:
最初は「ありがとう」と思うのですが、その後すぐに忘れてしまう。