DMATが助けられなかった命

病院を離れ、現場に向かったスタッフもいました。

DMAT​ 南和恵看護師​「ここに消防の車がずらりと並ぶんですね」

DMATの看護師、南和恵さんです。

DMATは災害時に現場へ向かい応急処置を施す医療専門チームです。

南さんが14日に起きた前震直後に向かったのは益城町でした。

南看護師「この辺一体が真っ暗で、周辺はガス漏れのにおいがしていた。私たちでも恐怖を感じるような真っ暗な中で、被災者の人たちは、どんな思いで過ごしているかと思うと、一刻も早く救助が必要な人のところにたどり着きたい」

倒壊した家屋で消防・警察の救助活動が始まって2時間、がれきの中から住民が救助されましたが、生きていることを示す兆候はありませんでした。

南看護師「本来ならば、DMATは1人でも多くの命を救うのが目的なので、判定が終われば次の現場に向かわなければいけないが、なかなかその場を去ることができなかった」

「なぜ病院に運んでくれないのか、助けないのか」家族からそう問われた南さんは、できるだけ言葉を尽くし判定の理由を伝えたといいます。

あの日から10年。この場所を訪れることをためらい続けてきました。

南看護師「そうですね。本当に正直にお伝えしますと、助けられなかったことです」