売れない日々、大手に梯子を外され研究開発には10年を費やした
リンと窒素、カリウムのバランスを連立方程式で計算しながら、「肥料レシピ」はバージョン33を超えた。
しかし、商品が完成しても「売れない」時期が続いた。
スタートアップのピッチイベントに登壇し続け、大手企業とのオープンイノベーションも試みた。
しかし、「担当が変わり、上層部が変わると、急にできなくなる。梯子を外されることがあって、人間不信になったこともあった」と慎也さんは振り返る。
転機は3年前。Amazonへの出品だった。
「月5、6万円くらい売れ始めて。1カ月で250万円くらいの売り上げを作ることができた」
年間1万個を超え、売り上げは4000万円規模に成長。黒字化を果たした。
「売れた時の嬉しさというのは、投資なら味わえない感じ。やっと認められたんだなと」
「土からやり直す」技術が京大系ベンチャーキャピタルにまで届いた。
京都大学が出資する投資会社「京都iCAP」が2025年の暮れに、ラテラへの出資を決定した。
担当者の森田氏はこう語る。
「『土から変えてやる』というのが意欲的というかチャレンジングで、こいつらタダモンじゃないな、と純粋に思いましたね。農業の根幹を担う技術というのは強みかなと。モノ(商品)を作って、植物を育てちゃっているんですよね。ということは、もう信じるしかない」
投資を受けた慎也さんの感想は、「嬉しい」よりも「やばい、頑張らないと」だったという。
「出資いただいた方に還元してゆく、という使命感もある」
大晦日も正月も、その重みを感じながら過ごしたと話す。














