去年6月施行の改正刑法で拘禁刑が導入されたことをきっかけに、札幌刑務所では受刑者と対話を重ねる「当事者研究」と呼ばれる取り組みが行われている。

そして今年の春「当事者研究」を受けてきた受刑者1人が出所した。一方で、対話を続けても、再び刑務所に戻ってきてしまう人もいる。

明治以来の大改革である拘禁刑の導入から10か月、立ち直りと向き合う現場の現在地を追った。(HBC報道部:三栗谷晧我記者)

双極性障害の60代受刑者 刑務所で出所後の居場所づくり

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3月、札幌刑務所に北海道医療大学と大阪大学の教授らでつくる研究チームと刑務官が集まった。

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札幌刑務所の刑務官
「当事者研究をこれまでずっとやらせていただいて、対象者が出所しまして…」

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この日は、当事者研究を経て出所した受刑者について、研究の成果を検証するミーティングが行われていた。

窃盗などを繰り返し服役を重ねてきた60代のAさんには、双極性感情障害という気分の浮き沈みが激しくなる脳の病気があった。

出所前に実施された当事者研究では…

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Aさん(60代)(2月の当事者研究)
「過去のこと、これは全部清算しなきゃならないから。前科が9から10あるから…」

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北海道医療大学・向谷地生良特任教授
「気分の病気を持っていますよね。これは自分でわかるのですか。ちょっと調子が変わってきたとか」

Aさん(60代)
「わかります。朝にはもう(気分が)上がっているなとか、今日はだめだなっていう」

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塀の外では、グループホームなどで支援を受けていた。しかし、自分の怒りをコントロールできないため職員に暴言を吐くなどのトラブルが絶えず、気づけば居場所を失って塀の中に戻ってきてしまう。