◆後半はHondaの独走状態

4区は最長22.4kmのエース区間。三菱重工は19年、20年の区間賞の井上大仁(29)が4区を走り、5km地点では2位・SUBARUの照井明人(28)に13秒の差をつけ独走状態に。照井はペースが上がらずトヨタ自動車の西山雄介(28)に捉えられてしまい、順位を落としていく。一方、大迫傑(31、Nike)から7位でタスキを受けたGMOインターネットグループの吉田祐也(25)が快走をみせ10km地点で2位の西山に追いつき、中間地点の11km過ぎではHondaの小山直城(26)、8位でタスキを受けた富士通・横手健(29)が2位集団に加わった。先頭を走り続ける井上は残り5km手前から苦しそうな表情を見せ、残り4km過ぎでHondaの小山が追いつき伊勢崎中継所の時点で25秒あった差をひっくり返された。

終盤はエース同士が粘りの走りをみせ、残り2.5kmから小山が井上との差を広げはじめ、そのまま逃げ切り2連覇に向けトップでタスキリレー。2位は12秒差で井上と西山が続いた。区間賞はKaoの池田耀平(24)。前回区間新の黒崎播磨の細谷恭平(27)は区間2位の走りをみせ、順位を7位に上げた。

5区(15.8km)でこの日初めてトップでタスキを受けたHondaは、東京五輪、世界陸上代表(3000m障害)の青木涼真(25)が首位をキープし、その後ろにトヨタ自動車の丸山竜也(28)が付いていった。10km付近では6位から順位を上げてきた富士通の塩尻和也(26)がその丸山を捉え、2位集団を引っ張る展開に。先頭の青木は終盤も安定した走りを続けると、後続との差を30秒以上に広げ一度もトップを譲らず6区の中山顕(25)につなぎ、区間賞を手にした。2位グループは15km付近でGMOインターネットグループの今江勇人(24)が塩尻に並ぶと、ゴール手前で抜き去り2位でタスキを渡した。

6区(11.9km)は昨年区間賞のHonda・中山顕(25)が快走をみせ、富士通の浦野雄平(25)が序盤で2位に順位を上げてきた。5km地点でも30秒近い差をつけ後半は苦しい表情をみせたが、2位の富士通と46秒差をつけてアンカーの木村慎(28)にタスキをつないだ。

最終7区(15.7km)はHondaのアンカー木村慎(28)が4年ぶりの出場となったが落ち着いた走りをみせ、5km通過地点でも2位の富士通とのタイム差もほぼ変わらず。後半は独走をキープしさらに差を広げフィニッシュテープを切った。

優勝を決めた小川智監督は「エースの伊藤(達彦)を欠きましたが、この一年間全選手が力をつけてきていたので選手を信じていました」と喜びをかみしめた。5区区間賞の青木は「過去2回2位で(周囲に)そろそろ区間賞取れと言われたので安心しています」と笑顔をみせ、アンカーの木村は「かわいいかわいい後輩たちがすごく良いところで持ってきたので、先輩は緊張していましたが気持ちよく走らせていただきました」とチームメイトに感謝の言葉をかけた。

【ニューイヤー駅伝2023結果】
優勝 Honda 4時間48分06秒
2 富士通 4時間48分52秒 
3 トヨタ自動車 4時間50分10秒
4 三菱重工 4時間50分13秒
5 GMOインターネットグループ 4時間50分16秒
6 SGホールディングス 4時間50分17秒
7 SUBARU 4時間51分32秒
8 中電工 4時間51分36秒