「小さくて、機敏で、技術が高い」ではない戦略
大学生で日本代表に選ばれ、オリンピックは1984年ロサンゼルス大会と88年ソウル大会の二大会に出場。身長195センチ、センターの川合さんはブロックの名手として活躍しました。新会長に託されたのは“強いニッポン”の復活です。
オリンピックでは、20121年ロンドン大会で女子が獲得した銅メダル以来、もう10年メダルから遠のいています(ロンドン大会は男子・出場なし、女子・銅メダル、16年リオ大会は男子・不出場、女子・5位、21年東京大会は男子・7位、女子・10位)。
将来を見据えた戦略の一つが「大型選手の育成」です。

高橋:
いままで(日本は)小さくても機敏ですごく技術が高くて、チームワークが良いというのが特徴でしたよね。
川合:
それだけでなんとか今まで戦っていたんですけど、やっぱり、身長が高いチームの方が有利なスポーツなんです。2mを越えた選手が180cmの選手と同じくらいの動きができるようなそう言ったトレーニングの構築とかね、システムを作って、学校の先生にも任せながら日本の強化のトップが一緒になって強化していくとか、そうやって連携がとれて、やることができれば、未来は明るいんじゃないかと思いますよ。
経験から考える「出方」「出し方」「見せ方」
バレー界の未来を明るくしたい。そのためにもう一つ掲げているのが、人気の底上げにつながる「発信力の強化」です。
川合:
「出方」「出し方」「見せ方」ですよね。これがしっかりできたらまた人気になって、人気になって(ファンが)見に来ると選手達も「よし頑張ろう!」と思うじゃないですか。相乗効果になっていくと思うので。
川合さんはこれまで、バレーボールの魅力をテレビでどう伝えるか、試行錯誤を重ねてきました。その経験が、「出方・出し方・見せ方」へのこだわりにつながっているのです。
川合:
バレーが純粋に好きな人たちは見ると思いますけどね。それ以外の人に興味を持ってもらうというのが大事で。チャンスをものにできる、チャンスを待つよりこちらから仕掛けていく。
高橋:
チャンスをしかけていく?
川合:
そういうのが大事だと思いますね。
高橋:
何か今アイデアを持っていることはありますか?
川合:
まず今個人で発信する人はいっぱいいるので協会としてはそういうのをフォローする体制とか。「すいませーん!今から動画撮ります!」と(コートに)入っていって、目の前で(スパイクを)打たれるのを流すとか。「こんな感じなんだ」ともう少し協会と選手と監督と広報が一致団結して臨場感のある動画とかを出していければいいなと思っていますけどね。
みんなで明るいバレー界を作りたい。それは、明るくて親しみやすい新会長だからこそ、描ける未来なのかもしれません。
川合:
流行りのものって若い人の方がよく知っていると思うので「こういうことやったら会長おもしろいですよ」って意見を言われるような会長になっていきたいと思っています。やっぱり「日本のスポーツ“お家芸”と言ったらバレーボールだな」と言われるような競技にしたいと思っています。
