皆さんは「BCP」というものをご存知でしょうか?

BCPは「事業継続計画」の略で災害などが起きた際に企業が被害を最小限に抑え、事業を復旧・継続させる計画のことです。

浜松市の「舘山寺温泉」では、災害などから観光地を守ろうとBCPの充実に向けた動きが進んでいます。

<MS&ADインターリスク総研浦川渚人主任コンサルタント>
「BCPをただ作るだけでは不十分です」

3月、「舘山寺温泉観光協会」が宿泊業者らを対象に開いたBCPの策定セミナーです。

BCPとは日本語で事業継続計画。災害などの緊急事態の際、損害を最小限に抑え、事業をいち早く復旧・継続させるための計画のことです。

舘山寺温泉のある浜名湖周辺は、南海トラフ巨大地震で最大震度7の揺れが予想されていて、建物の倒壊や道路の液状化による被害のリスクがあります。

<MS&ADインターリスク総研浦川主任コンサルタント>
「(2年前の)能登半島地震でも、一部の施設で復旧出来ていても一部ができていないと、2年たった今でも観光客が50パーセント以上減少しているそうです。観光業としては『点』の対策ではなく、町全体をあげて『面』での対策が今後重要になります」

観光地での災害は、道路の寸断による物資の途絶や宿泊客の帰宅困難など地域全体を麻痺させるリスクがあります。

宿泊施設には「避難や支援の拠点」としての役割も期待されており、町全体で備えることが重要です。

一方で、策定率の低さが課題となっています。

帝国データバンクによりますと、宿泊業を含む県内のサービス業のBCPの策定率は23.4%と4分の3が未策定です。

<浜松市内のホテル担当者>
「(現在)BCPのひな型は作ってあるんですけど、実効性が伴っていないものだから、実効性のあるものをつくって行きたいなと思っています」

遠鉄観光開発が運営する「ホテルウェルシーズン浜名湖」です。

ここでは地震対策のほか、感染症対策や台風などの風水害対策など災害ごとのBCPをつくっています。

<遠鉄観光開発竹山眞弘総務人事部長>
「こちらはアクションカードというもので、災害時の初動対応をどのように行うかを示したカードになっています」

まず、地震直後のパニックを鎮める一つが、この「アクションカード」。初動のための指示書です。

やるべきことを、役割ごとに短く記し、災害発生直後の混乱を最小限に抑ます。

そして、混乱が落ち着いてからBCPを開きます。

指揮体制の明確化や、想定される被害から算出した「復旧までの目安」をもとに、誰が見ても活動できるような計画を目指し、細かくまとめています。

これまで8回、内容を更新。2024年の南海トラフ地震臨時情報の発表後にもアップデートしました。

<遠鉄観光開発総務課竹山卓宏さん(施設担当)>
「今までは南海トラフ地震臨時情報『巨大地震注意』が出た時点で営業をやめてしまおうという考え方だった」「(現在は)巨大地震注意では営業を継続する。ただし巨大地震警戒が出た時点で営業はストップする形に変えた」

BCPを策定し、事業者がより精度の高いものにしていく。観光地を災害から守るために重要な取り組みです。