大阪府が、すでに運用を終えた公衆街路灯の電気料金を、関西電力側に支払い続けてしまっていた問題。

府は約6500万円の返還を求めて、関電を相手取り裁判を起こしていましたが、大阪地裁は訴えを退けました。


■緊急点検で“過払い”が判明

大阪府は2020年、管理する道路で街路灯が倒壊したことをうけて緊急点検を実施したところ、すでに撤去された街路灯などの電気料金を、関西電力側に支払い続けていたことが判明しました。

府は関電に対し約6500万円の返還を求め、大阪地裁で民事裁判を起こしていましたが、大阪地裁(成田晋司裁判長)は3月26日の判決で、府の訴えを全面的に退けました。

裁判の争点は、以下の通りです。


■「契約廃止を通知した」という証明があるか

大阪府は“照明設備の撤去工事を担った業者らが、電話やFAXで関電側に契約廃止の連絡をした”と主張し、業者へのヒアリング結果などを証拠として提出しました。

しかし判決は、関電側のシステムに廃止通知を受けた記録が残っていない点や、大阪府や各業者側にも、通知したことを裏づける日報や書類などがない点を指摘。

工事からヒアリングなどまでに相当の時間が経っていることから、”業者側が他の工事と混同して回答している可能性も否定できず、府側が関電側に契約廃止を通知したとは認められない”と判断しました。


■関電が「大阪府が電気を使っていない」と認識していたか

大阪府は“電気事業法に基づく定期調査で、関電側は当該の街路灯をめぐり、府が電気を使用していないことを認識していた”とも主張しました。

しかし判決は、“関電側は同法に基づいて、他の機関・業者に調査を委託していて、街路灯が存在していないという報告を委託先から受けていたと認定できる証拠もない”として、その主張も退けました。


■請求を続けたのは“信義則”に反するか

大阪府は“物理的に電気を使用できない状態になっていたのに、請求が続けられたのは信義則に反する”とも主張。

しかし判決は、“電気料金請求内訳書やインターネット上で、契約継続の有無を確認することは容易だった”として、この主張も一蹴しました。

大阪府は、判決を不服として控訴する方針です。