山口県阿武町が誤って、1人の住民に4630万円を振り込んだ事件の第2回公判が12月27日、山口地裁でありました。誤ったものと知りながら別の口座に振り込み、不法に利益を得たとされる田口翔被告(24)に、検察側は懲役4年6か月を求刑。弁護側は無罪を主張して、審理を終えました。記者の取材メモから、裁判を詳しく見ていきます。

起訴状によりますと、田口被告は2022年4月、阿武町から振り込まれた4630万円を誤ったものと知りながら、ネットカジノの決済代行業者の口座に振り替え、不法に利益を得たなどとして、電子計算機使用詐欺の罪に問われています。警察の調べに田口被告は「オンラインカジノに使った。うまくいけばお金を増やせると思った」と供述。これまでに阿武町は、業者などからほぼ全額を回収しています。また、田口被告は謝罪し、解決金347万円あまりを支払うことで、町と和解が成立しています。

27日午後2時45分。田口被告は、弁護士らとともに、裁判所に姿を見せました。黒いスーツとネクタイに、白いワイシャツ。髪の毛を後ろで縛り、報道陣の呼びかけには応じることなく、歩いて裁判所に入りました。裁判は午後3時に始まりました。