青森県東方沖地震から3か月余り。
その経験を伝えている人がいます。災害時の医療支援を学ぶ、災害支援医療従事者の養成講座の1期生で、震災時に「むつ総合病院」で対応にあたった看護師長が講演で経験を語りました。
3月11日、弘前大学で講演したのは看護師の中島さおりさんです。30年勤務するむつ総合病院では、救急外来の看護師長を務めています。
2025年12月に発生した青森県東方沖地震で、むつ総合病院は病棟の一部で浸水被害が確認されました。
中島さんは当時、病棟の状況の確認や、浸水被害に伴う患者の避難対応にあたりました。
むつ総合病院 看護師長 中島さおり さん
「こちらは天井に染みが見えています。いつ天井が落ちてくるのか、とても恐怖でした」
災害発生時にはエレベーターが使用できず、天井のスプリンクラーが壊れて水が漏れ、5階~7階に入院していた133人の患者を移動させました。完了までには約4時間を要したといいます。
むつ総合病院 看護師長 中島さおり さん
「体重が軽そうな患者さんをもう1人の看護師と2人で運びましたが、1~2段おりるだけで、患者さんを落としそうになりました。途中でリハビリや事務の男性スタッフに交代してもらいました」
担架に乗せた患者を階段で移動させるためには看護師だけではできず、他の医療従事者も加わりました。
そのため、震災が起きた際の初動対応には、職種の枠を超えた連携が必要と感じています。
当時病院で対応にあたっていた研修医の女性も、災害時の医療提供体制を確保する重要性を感じました。
参加した研修医
「時間が経つと経験は忘れてしまうような気がする。研修を通して、災害が起きた時の想定をすることで、実際起きた時に自分が医療者の1人として何ができるのか。患者さんのことを考えて動くことが大事だと思う」
弘前大学の災害支援医療従事者の育成講座は、2026年で3年目を迎えました。
むつ総合病院 看護師長 中島さおり さん
「今回の経験から感じたことは、日頃の備えと、人とのつながりが災害医療の力になるということです」
被災の経験を次の世代につないでいきます。














