裁判所の判断「34歳の女性に覚醒剤所持罪における故意を認めることはできない」

34歳女性に無罪判決 福岡地裁

また福岡地裁は
「34歳の女性が天井裏に覚醒剤が一切存在していないとの認識であったとしても、③については、元夫の指示に従ったにすぎないから、覚醒剤が残っていないか確認することが特に不自然とはいえず、④についても、確認不足であったことは間違いないのだから、謝罪することが特に不自然とはいえない。したがって、検察官が指摘する事情は、いずれも34歳の女性に本件覚醒剤の存在について未必的な認識がなかったとしても説明できるものである」
と述べた。

さらに福岡地裁は
「34歳の女性が白色紙袋内以外にも天井裏に覚醒剤がありうることを相当程度認識していたのであれば、34歳の女性が6月18日に天井裏を確認する際、入念に確認を行い、本件覚醒剤を発見するに至っていたとしてもおかしくない。そうならなかったことは、当時、34歳の女性に天井裏に覚醒剤が存在する認識がなかったことを裏付ける事情ともいえる」
と指摘した。

そのうえで福岡地裁は
「少なくとも、34歳の女性に、断熱材の下方に覚醒剤があってもやむを得ないというような、故意責任を問える認容があったと認めるに足りる事情は見い出し難い」
として
「34歳の女性が、本件覚醒剤を未必的に認識していたと認めるに足りる証拠はなく、34歳の女性に覚醒剤所持罪における故意を認めることはできない」
と判断した。